１．遺留分とは、相続人のために、法律上必ず保持される相続財産の一定割合をいう。
２．遺留分権利者は、配偶者、子（子の代襲者、胎児（死産を除く））、直系尊属（父・母等）である。
※兄弟姉妹には、遺留分がない。
３．遺留分率とは、直系尊属（父・母等）のみが相続人である場合は、相続財産の３分の１である。
その他の相続人の場合は、相続財産の２分の１である。
（例1）配偶者と子が相続人となる場合は、配偶者１／２、子１／２となる。
（例2）配偶者と直系尊属が相続人となる場合は、配偶者１／２、直系尊属１／２となる。
（例3）直系尊属のみが相続人となる場合は、直系尊属１／３となる。
４．遺留分財産の範囲とは、次の算式＝相続開始時の相続財産（プラス財産）＋贈与した一定財産－債務
（マイナス財産）となる。
５．遺留分侵害額請求権とは、遺留分侵害が理由で、相手方に権利主張をすることができる法律上の地位
である。また、遺留分を侵害する遺贈又は贈与は無効となるわけではなく、遺留分権利者が遺留分
侵害額を請求しても、遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生するだけで、遺贈又は贈与の目的と
なった財産が相続財産に復帰するわけではない。